長福寺跡の活用(国史跡日根荘遺跡)

長福寺(ちょうふくじ)とは

長福寺(ちょうふくじ)とは

長福寺とは日根荘の領主、九条政基が1501~1504年の間直接支配するために滞在したお寺です。その様子は、政基の記した日記『政基公旅引付』に記されています。しかし、1611年の資料を最後にその名は確認することができず、これまで字チョークジと呼ばれる場所が、その所在地として考えられてきました。 農地改良の計画にともない、平成14、15年度に発掘調査を実施したところ、大量の瓦や建物跡・園池・井戸など寺院跡が確認され、長福寺の場所が明らかになりました。長福寺跡は平成17年7月に日根荘遺跡に追加指定されています。

長福寺跡遺構図
長福寺跡

 

 長福寺に関して『旅引付』には、「堂」「堂前」「仏殿」などの記述がみられます。発掘調査によって、お堂跡とその床下にはていねいに河原石を敷き詰めた特殊な地下構造が確認され、長福寺は約30mの区画された溝などに囲まれた敷地の中に、お堂や池、井戸、石組みの水路があり、周辺には炉を備えた建物、通路、耕作地などが広がっていたことが明らかになりました。

長福寺のお堂跡と園池跡

 

 

長福寺跡の遺構と遺物

 

活用状況(現在の長福寺跡)

活用状況(現在の長福寺跡)

長福寺跡は平成17年7月に史跡に追加指定され、平成17~18年度に公有化を行いました。平成19年度より、暫定的な活用として維持管理とともに、野外展示として説明版の設置や周辺景観との調和をめざした農空間の維持などを行っています。 農空間では大木まちづくり協議会の協力を得て、米づくりを行っています。長福寺跡でとれたお米は、毎年11月頃に市内の学校給食に提供されています。

長福寺跡
長福寺跡位置図
長福寺跡の案内板と田植えの様子

 

 

長福寺跡では、農作業体験などの普及事業も行っています。毎年大木小学校の高学年が6月に田植え、10月には稲刈りを行っています。

大木小学校農作業体験

泉佐野市を含む泉州地域では、タマネギ小屋と呼ばれる農作業小屋を見ることができます。現在その多くがトタン葺きですが、かつて大木地区では杉皮葺きのものが多くみられました。そこで平成19年度に地元の方々にご協力をいただき、長福寺跡のタマネギ小屋を杉皮葺きにしました

杉皮剥ぎと葺き替え作業の様子と完成した農作業小屋

   

≪長福寺跡へのアクセス≫

※集落内には駐車場がございません。公共交通機関をご利用ください。

南海線「泉佐野」駅もしくはJR阪和線「日根野」駅より、南海ウィングバス21系統(犬鳴山行き)乗車、「下大木」バス停下車、徒歩5分

 

 

お問い合わせ CONTACT

文化財保護課 <e-mail:bunkazai@city.izumisano.lg.jp>
住所:〒598-0056 泉佐野市元町4-5 旧朝日湯内
電話番号:072-447-6766
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