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泉佐野市行財政改革推進委員会報告書(平成13年11月)

平成13年度の一般会計の単年度収支が赤字になるのはやむをえない。しかし、14年度以降については単年度収支を黒字とすることが是非とも必要である。平成17年度には、累積収支の赤字を解消することを目標としたい。そのためには、まずもって歳出削減をはからねばならない。歳出は経常的経費と投資的経費からなる。経常的経費のうち、かなりの部分は義務的経費であって、削減は容易でない。投資的経費の中には過去になされた意思決定により、支出せざるをえないものが含まれており、大幅な削減は難しい。にもかかわらず、歳出を減らす努力をしなければならない。特別会計も様々な問題を抱えているが、本報告書では、一般会計のあり方について扱うことにする。泉佐野市行財政改革推進委員会特別委員会(以下、特別委員会と記載)は泉佐野市の財政全体(普通会計、事業会計、出資法人)について詳細な検討を加え、報告書を作成した。本委員会は、その成果を十分に踏まえたうえで以下の提言を行うものである。

行政評価システムを導入することによって歳出削減をはかるべきである。数多くの事務事業のそれぞれについて、その目的を明確にしたうえで、必要な費用を的確に把握しなければならない。全員がコスト意識を持って事務事業を効率的に行い、コストに比して効果があがらない事業、事業の目的が既に達せられている、または必要性が既に失われている事業については見直しをする必要がある。また、大規模な投資を行う場合には、事前評価、事後評価を行い、投資の効率性・効果性を十分に検討しなければならない。PFIを利用することによって投資的経費を削減することが可能かどうかについても検討すべきである。また、このような事務事業、大規模事業の評価をさらに発展させ、市民ニーズを取り入れながら複数ある施策(目的)間のプライオリティや事業間の優先順位を検討していく施策評価についても検討していく必要がある。以下に示す歳出の削減策に併せ、行政評価の仕組みを導入することによって、市民へのアカウンタビリティ(説明責任)の向上と効率的な行政システムへの転換を早急に進めていかなければならない。

1.歳出削減案

1 経常的経費の削減

経常的経費は義務的経費(人件費、扶助費、公債費)、物件費、維持補修費、補助費等、繰出金の合計である。経常支出のうち、繰出金(国保、老健、介護、下水道)および補助費等のうち他会計分(清掃施設組合、市民病院、上水道)の削減は難しい。公債費は増加していく。したがって、人件費、物件費、扶助費、維持補修費、補助費等から他会計分を除いた部分が削減対象となる。
財政再建をはかる場合、歳出総額に占める割合が高い人件費の削減を行うことが是非とも必要である。人件費削減策は以下のとおり。

(1) 職員数の削減

平成13年4月1日現在の職員数は、普通会計926人、公営企業等564人となっている。公営企業等(水道、病院や国保特会・下水道特会・老健特会・介護特会)の職員数は過大とは思われない。いっぽう、普通会計(一般行政部門、教育部門、消防部門)の職員数は過大であるので、各部門の人員配置を見直して、より適正なものとしなければならない。人口1000人当たり、8人程度を目標として削減すべきである。定年前早期退職者制度による退職者数の追加や時期の繰り上げ実施が望ましい。新規採用の中止、民営化や民間委託等を積極的に行うことによる職員数削減も必要である。

(2) 議員定数と議員報酬

法定議員定数は30である。条例議員数は24で、人口1万人あたり2.47となっている。大阪府下の都市の平均は2.09であるから、いくぶん多いといえる。しかし、住民の意思を代表すべき議員の数は少ないほうがよいとは必ずしもいえない。そこで、議員数は、さしあたり据え置くのが適当と思われる。 議員報酬は20%カットすべきである。現在、議員の期末手当は、報酬×1.2×4.75 となっている。一般職員の期末手当は基本給(給料+調整手当+扶養手当)に4.75を掛けたものとなっているため、報酬×1.2を基本給とみなしているわけである。議員報酬には調整手当や扶養手当を含まないのに、期末手当では、それらを含めて計算するというのは適当でない。1.2は1とすべきである。議員報酬を20%カットした場合、それに連動して期末手当は減少するが、支給率を4.75から4.4まで引き下げるべきである。

(3) 特別職と管理職

現在、特別職の給料月額は10%カットされている。これを20%カットとする。期末手当の支給率を 4.75 から 4.4とする必要もある。特別職の退職金を20%カットするというのも適当である。管理職手当の50%カットや役職一時金のカットも適切である。

(4) 嘱託員・パート賃金・委員報酬

平均で10%程度のカットを実施すべきである。

(5) 職員給

昇給停止を行うのは当然である。本来、給料のカットを行うべきところであるが、職員の生活を考慮して昇給停止にとどめるのが適当だと思われる。さらに、初任給や期末手当以外の手当は国の基準に合わせるべきである。多くの市民が納得できないような手当については廃止や引下げを検討しなければならない。市の職員は身分が保障されており、解雇されることはない。そういった状況に対して民間企業で勤務している住民がいだく感情を考え合わせると、期末手当の支給率 4.75 を引下げて 3.5 とすることが是非とも必要だと判断する。それに加えて、近い将来、給与システムを能力給とする必要がある。

維持補修費については削減の余地が小さいと思われる。補助費等(他会計分以外)や扶助費には削減すべきものが含まれている。個人市民税および個人固定資産税の前納報奨金(補助費等)、中小企業金融対策事業利子補給(補助費等)、敬老祝金(扶助費)などは廃止すべきである。これらは、財政に余裕のある地方団体ならともかく、財政が危機的な状況にある市がなすべきことではない。各種団体への補助金については削減や廃止を行うべきである。まず、零細な補助金を廃止し、市が行うべきでない事業、あるいは、必要度の低い事業は取りやめる必要がある。行政を補完している団体についても、その重要度に応じて、補助を継続するかどうかを判断しなければならない。補助を継続するとしても、金額を下げるべきである。

保育所、幼稚園、給食センターの民営化、ごみ収集事業に係る委託化の推進についても検討する必要がある。市がゴミ袋を無料で配布しているというのは実に驚くべきことである。このような無駄使いは早急に取りやめるべきである。ゴミ袋を市が配る必要はまったくない。できるだけ、ゴミ収集の有料化をはかるのがよい。大型ゴミの有料収集は当然の策といえよう。

2 投資的経費の削減

投資的経費は、(1) 既になされた決定に基づき、支出しなければならないもの、(2) 維持管理的な投資、(3) 単年度の投資に分類できる。投資のうち、既に決定されているものでも、緊急避難として再検討が必要である。

投資計画の詳細の公表が遅くなったため、中止・延期・停止の可否について、本委員会が充分な検討を行うことはできなかった。第2次実施計画(素案)には、13年度以降17年度までの投資的事業の計画が含まれているが、泉佐野市は、その検討過程を公表すべきである。様々な予算要求をどのような基準で選別したのかを市民に説明する必要がある。

南海本線連続立体交差事業、大井関公園用地買収事業、日根野土地区画整理事業のために必要な経費が大きいことを考慮すれば、維持管理的な投資や単年度の投資を抑制する必要がある。投資の内容により、補助金や地方債で賄われる金額は変化する。既に巨額の負債を抱えているわけであるから、起債は最小限に留めることが望まれる。

今後、行われる投資の中にはPFI(Private Finance Initiative, 民間資金等活用事業)として行うのが適当なものが含まれているであろう。そこで、PFIが利用できるかどうかについて検討しておく必要があると思われる。

PFIは次のような効果をもつ。

  1. 民間の資金・経営能力・技術的能力を活用して、公共施設の建設・維持管理を行うことにより、効率的な整備・運営が期待できる。
  2. 従来型の整備手法では工事期間中に多額の財政負担が発生するのに比べて市の毎年の負担額が平準化される。
  3. 市とPFI事業者との間のリスク分担が明確化される。

PFIの類型としては次の3つがある。

  1. サービス購入型(市から財政上の支援がある場合を含む)  公共サービスの対価として市から支払われる料金でPFI事業の事業費を賄う。
  2. 独立採算型(大阪府の例:江坂駅南立体駐車場整備事業)  利用者から徴収する料金ですべて賄い、市の支出が生じない。

ジョイント・ベンチャー型 PFI事業の事業費を利用者から徴収する料金および市の支出の双方によって賄う。  

事業によっては、サービス購入型や独立採算型のPFIを利用することができるのではないだろうか。ジョイント・ベンチャー型は第三セクターと似た面があり、利用しないほうがよいと思われる。

PFIの事業方式には色々あるが、BOT方式とBTO方式が代表的なものである。

  1. BOT方式 (Build, Operate, Transfer)  PFI契約に基づき、PFI事業者が施設の整備を行い、事業期間中所有して維持管理し、期間終了後に、市に有償または無償で施設を譲渡する。市は、事業期間中、賃貸借契約による賃借料をPFI事業者に支払う。
  2. BTO方式 (Build, Transfer, Operate)  PFI契約に基づき、PFI事業者が施設の整備を行い、完工後所有権を市に移転し、維持管理等は、PFI事業者が引き続き行う。市は、事業期間中、割賦販売契約による割賦料と維持管理サービスの対価をPFI事業者に支払う。

2.歳入増加案

1 基礎的サービスと選択的サービス

地方公共サービスは基礎的サービスと選択的サービスに区別できる。基礎的サービスは、全住民が利用し、住民の間で消費量の差が小さい。外部経済効果が大きく、市場では供給されない。消防(救急サービスを除く)、義務教育、公衆衛生、一般道路、ごみ処理、上水道などが含まれる。基礎的サービスの大半は公共財ないし準公共財であって租税で賄われる。

いっぽう、選択的サービスの場合、利用者と非利用者が存在し、消費量に大きな個人差がある。私的財ないし準私的財であり、類似のサービスが市場でも供給されている。選択的サービスが価値財のケースもある。価値財とは、当面、利用者は意識しないが、将来、利用者にもたらされる便益が存在する財・サービスということができよう。低所得者の消費が他の人々に心理的外部便益(慈善)をもたらすこともある。福祉サービス、文化サービス、社会教育、スポーツ振興などが含まれる。供給費用のかなりの部分は利用者負担で賄われるべきものである。

様々な理由で過大になっている選択的サービスについては、 (1) 公的供給を行うかどうかを慎重に検討する必要がある。市場で効率的に供給されうるサービスについては、自治体が供給すべきでない。 (2) 市場における供給が過少である場合、自治体が追加的に供給することになる。市全体の純便益(市全体の満足マイナス市全体の負担)をできるだけ的確に把握し、市全体の純便益の大きいものから供給する。 (3) 適正な利用者負担を課し、税の投入をできるだけ少なくしなければならない。

経常赤字を下げるには、経常支出の削減だけでなく、経常収入の増加が必要である。つまり、利用者負担と市税の増加をはからなければならない。

2 利用者負担の引上げ  

保育料や公営住宅家賃の徴収率を引上げるよう努力する。大阪府下の都市で最も高い負担まで上げるべきである。保育所保育料:対国基準の65~70%とする。幼稚園保育料:府内の都市の最高水準、あるいは民間の半額程度まで引上げる。無料で提供されているサービスは原則として有料化する。サービスによっては民営化し、必要に応じて補助金を出すことも検討すべきだ。

心理的外部便益、非心理的外部便益、価値便益の大きさは明確なものではない。そのため、かなり過大評価されてきた。そこで次のような原則がひとつの目安となろう。心理的外部便益が存在しない場合、料金は平均コストの半額以上とする。類似したサービスの市場価格の半分を下回るような料金はどうみても容認しがたい。心理的外部便益がもたらされる場合、低所得者の利用料金を平均コストの4分の1以上とする。平均費用の半分の半分を下回る料金設定は極力避けるべきである。

現状の料金設定は余りにも低く、資源配分が非効率的になっているだけでなく、利用者と非利用者の間で大きな不公平が生じている。とにかく利用者負担の引上げを行う必要がある。しかし、その歳入総額に占める構成比は2%程度にすぎないので、財政再建の手段としては限界がある。

利用者負担を引上げると消費量が減少することがあるので、サービスによっては使用料収入が増加するかどうかわからない。しかし、公費負担分(サービス供給費用と利用者負担の差)は確実に削減できる。財政再建の手段としては限界があるものの、利用者負担の引上げは実施すべきだ。

3 地方税の増収策 -1-

制度を所与として税収の増加をはかるには、徴収率を引上げる、課税客体を十分に把握する、税源涵養といった方策が考えられる。

  • 徴収率の引上げ
    市民税:現年課税分の徴収率は98%で、府下平均に近いが、99%を目標としたい。滞納繰越分は16%で、府下平均22%に比べ、かなり低い。
    固定資産税:現年課税分のうち、空港関連以外の徴収率は95%で府下平均の97%を下回っている。滞納繰越分も府下平均よりかなり低い。 
    個々の住民に行政サービスを提供するとき税金の未納の有無を確認するようにすれば徴収率のアップにつながるかもしれない。法的な処理も積極的に行わなければならない。
  • 課税客体の把握
    償却資産に対する固定資産税や法人市民税については、課税客体の把握に努めなければならない。
  • ・税源涵養
    大阪府は、りんくうタウンの土地の分譲価格を引き下げる案を出している。それにより、企業の進出が増加するのが期待される。

4 地方税の増収策 -2-

最後に、制度を変更して税収の増加をはかることを検討しなければならない。法人市民税(法人均等割、法人税割)については、すでに超過課税を行っている。いっぽう、個人市民税、軽自動車税、固定資産税の三税について超過課税が可能である。個人市民税(個人均等割、所得割)については制限税率の定めはない。個人市民税均等割の超過課税は、是非行うべきだ。市民に財政の現状を認識してもらうにはそれが必要である。均等割の標準税率はあまりに低すぎるし、納税者の妻が非課税なのは不適切である。過大な公的年金等控除により、高齢者の多くが均等割非課税となっている。個人市民税均等割を標準税率(年額2500 円)の2倍とするとするのは、それほど極端な案ではない。法人に対しては超過課税を行うが、個人については断じて行わないというのは間違っている。標準税率とは、地方公共団体が課税する場合に通常よるべき税率で、その財政上の特別の必要があると認める場合においては、これによることを要しない税率をいう。現在が、「財政上の特別の必要がある」状況であるのは言うまでもないことだ。

均等割の引上げを年額500円にとどめるとすれば、個人市民税所得割の超過課税を実施しなければならないだろう。所得割の限界税率を0.1%引上げるということが考えられる。なお、個人市民税所得割、個人府民税所得割の標準税率は次のようになっている。

 

 

 課税所得金額   個人市民税所得割 個人府民税所得割
 200万円以下  3%  2%
 200万円超 700万円以下  8%  2%
 700万円超  10%  3%

 

住民税額は、かなり高いと思われているようである。しかし、次のような事情があることを認識しなければならない。所得税はボーナスからも天引きされるが、個人市民税は前年の年収をもとに計算した税額が毎月天引きされ、ボーナスが支給される月の住民税が高くなることはない。市民税と府民税が合わせて徴収されるということもあり、負担が高いようにみえるだけである。

都市計画税を増税したいところだが、制限税率で課税しており不可能である。住民や企業誘致による税源涵養とは逆行する策であるが、固定資産税の税率を 0.1%引上げ1.5%とする必要があろう。住宅用地の場合、固定資産税の実効税率は低いので、個人の負担増は、さして大きなものではないと思われる。一般住宅用地の場合、課税標準は評価額の3分の1である。200平方メートルまでの小規模住宅用地については評価額の6分の1を課税標準としている。

市による道路整備をはじめとする様々な公共サービスの充実の対価として、個人住民税の均等割と所得割、固定資産税の超過課税を行うべきである。

3 計画期間における財政のあり方

 第2次行財政改革実施計画(素案)では平成17年度に単年度赤字を解消することを目標としている。そういった目標を設定したのは、歳出削減策についても歳入増加策についても、強い制約条件を課したうえで考えられているためである。実施計画(素案)は、期末手当の支給率を維持し、増税は一切行わないといった制約の下で策定された。それに基づいて財政運営を行うならば、16年度までは単年度赤字を出し、累積赤字は、なかなか減少せず、増加していく。30億円を上回る累積赤字が当分の間、続くわけである。累積赤字を増加させないための手は打っても、それを減少させる手を打っておらず、累積赤字を解消する時期は明示されていない。要するに、実施計画(素案)は、人件費の大幅な削減および増税なくしては、数年で財政を再建することはできないと宣言しているのである。  

泉佐野市は、あくまで平成17年度までに累積赤字を解消することを目指すべきである。そのためには、まず、人件費削減を中心とした大幅な歳出削減策をとり、市民の十分な理解を得たうえで、大幅な歳入増加策をとることが必要となる。増税なしで財政を再建することは不可能であることを認識しなければならない。過去において税収見通しを間違ったがゆえに、過大な公共サービスが供給されてしまった。住民(個人と法人)はそれを消費していくほかはない。そして、公共サービスの対価は泉佐野の住民が負担するほかはないのである。負担を先送りしたとしても、なくなるわけではない。負担しなければならないものは、短期間で支払ってしまうほうがよいではないか。いつまでも財政赤字に悩まされてはならない。  

議員は、自分たちの人件費を率先して引き下げるべきである。議員は特別職とともに、財政の現状について大きな責任をもつ立場にある。特別職や管理職については人件費引下げのために様々な手が講じられている。それに対して、議員については何もなされていない。条例定数を法定議員数より少なくしたのは現在の議員が選ばれた選挙の前のことである。それも他の市と同程度の減少にすぎない。議員は既に責任をとったというのであれば、まことにおかしな認識だと言わざるをえない。  

市民と職員は、数年間の負担に耐えなければならない。耐えることができないとは思えない。耐えられないのではなく、耐えようという気持ちがないだけではなかろうか。現状を前に他の都市と似たりよったりの策をとるだけで、問題の解決を先延ばしにするというのは許されない。どうみても期末手当の引下げがいやだ、増税がいやだといって済む状況ではない。  

公認会計士で構成された特別委員会は、短期間に膨大なエネルギーを投じ、泉佐野市の財政活動全体について調査し、詳細な報告書を作成した。それはほとんど無償でなされたのである。市民や職員は特別委員(4名)および支援会員(5名)の尊い努力を無駄にしてはならない。

人件費の下げ幅や増税の幅を小さくすることも考えられる。しかし、その場合、財政再建のために余りにも時間がかかりすぎる。加えて、不確定要因があるため、再建を達成できるかどうかわからない。平成17年度までの期限つきで、思いきった歳出削減策と歳入増加策をとり、平成14年度以降の単年度収支を黒字とし、平成17年度には累積赤字を解消することを目標とすることが是非とも必要である。目標を設定したからといって、それが実現できるとは必ずしも言えない。しかし、そのような目標設定なくして財政を再建することは不可能である。

泉佐野市は、すでに巨額の負債を抱えている。特別委員会の報告書にあるように、普通会計の負債が巨額であるだけでなく、事業会計における負債も莫大なものであることを充分に認識すべきである。それを考慮し、市全体の負債総額を増加させないようにしなければならない。投資計画を作成する場合、この点について十分配慮する必要がある。

最後に、国と地方の財源配分、府県と市町村の財源配分のあり方について述べておきたい。地方交付税制度を通じて国税5税の一定割合が地方へ交付されている。最近、国税の一部の地方への移譲と、過大となっている基準財政需要額の削減を組み合わせた「地方財政移転制度」が政策構想フォーラムによって提案された。地方税と国から移譲される税の合計の一定割合を各地方団体が拠出して、地方全体の基本的な財政需要を賄うことにするのである。「基準財政需要額を 20%程度以上カットすると、歳入が改善される団体が出現する一方、これまで交付税に大きく依存してきた地方の歳入は減少する。しかし、改革によって負担率が軽減され、自前の収入が大きく増加することによって、地方経済の活性化を通じる税収増加を期待することができる。地方財政移転制度による地方の財政調整は、一定の経済・人口規模を持つ地方団体までとし、それ以下の規模の団体への調整は各県が行う。これにより、町村合併に関しても地方独自の取組みが促進される」というわけである。不交付団体である泉佐野市の一般財源は新しい地方財政移転制度の下では増加すると思われる。

府下の市町村が供給している様々なサービスの便益は他の市町村へ漏出している。泉佐野市民病院は他の市町村の住民も利用する。市民病院を維持するために一般会計から多額の補助金が支出されている。泉佐野の住民のみが、それを負担するのは適切とはいえない。他の市町村が供給するサービスから泉佐野の住民が便益を得る場合もあるが、漏出のほうが大きいならば、大阪府は泉佐野市への補助金を増額すべきだということになる。

このように国と地方の財源配分、府県と市町村の財源配分については改善すべき点がある。しかし、地方交付税制度の改革がすぐに行われるわけではない。大阪府からの補助金は増加するより、むしろ減少していく可能性のほうが高い。そうであるならば、泉佐野市としては、なんとか自力で困難に立ち向かうしかないのである。数年の間、市民と職員が負担を分かち合うことが強く求められている。

 

泉佐野市行財政改革推進委員会開催状況
回数 開催日 内容等
 1回目  5月10日  市の財政状況と今後の進め方
 2回目  6月7日  歳入について(市税・使用料・手数料等)
 3回目  7月5日  歳出について(消費的経費-人件費・扶助費・補助費等)
 4回目  7月26日  歳出について(投資的経費)・特別委員会中間報告
 5回目  8月9日  全般的事項について
 6回目  8月26日  全般的事項・見直し項目のまとめ・特別委員会報告について
 7回目  10月16日  行財政改革第2次実施計画(素案)・推進委員会報告書について

泉佐野市行財政改革推進委員会委員
   氏名  役職名  
 学識経験者  山下和久  大阪府立大学経済学部教授  会長
 行政経験者  辻井克誠  (財)大阪府公園協会専務理事  副会長
 学識経験者  宮坂典男  和歌山大学院客員助教授  
 企業経営者  中野伸  不二製油(株)常務取締役  
 公認会計士  明松優  公認会計士  
 市民公募  踊堂弘道    
 市民公募  杉浦千代美    
 市民公募  下代修    
 市民公募  菊川浩史    
 市民公募  杉岡繁昭    
お問い合わせ
行財政管理課 <e-mail:gyouzaiseikanri@city.izumisano.lg.jp>
電話番号:072-463-1212(内線2442~2444)
FAX番号:072-464-9314
行財政改革(資料)

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