国史跡日根荘遺跡 長福寺跡の活用

更新日:2025年06月11日

ページID : 4531

長福寺跡の魅力と未来へつなぐ歩み

古の寺院が語る、荘園文化の記憶

泉佐野市大木地区の田園の中に、静かに佇む「長福寺跡ちょうふくじあと」は、中世の荘園・日根荘の歴史を今に伝える、たいへん貴重な国史跡です。
長福寺とは日根荘の領主、九条政基くじょうまさもとが1501~1504年の間直接支配するために滞在したお寺です。その存在は、『政基公旅引付まさもとこうたびひきつけ』にも記録されており、荘園の中枢を担っていたことがうかがえます。しかし、1611年の資料を最後にその名は確認することができず、これまで字チョークジと呼ばれる場所が、その所在地として考えられてきました。

長福寺跡

長福寺跡

発掘調査でよみがえった「日根荘の政所」

平成14・15年度に行われた農地改良工事にともなう発掘調査で、お堂跡・園池・井戸・瓦などが発見され、ついにその実像が明らかになりました。
特に注目されたのは、地下に河原石かわらいしを敷き詰めた構造のお堂跡や、南北約30mにもおよぶ区画溝で囲まれた寺院空間です。お堂のほかにも水路や園池、さらには耕作地や通路跡など、多様な機能を持つ空間がひとつの場に集約されており、中世荘園の寺院としての姿が浮かび上がりました。

長福寺跡遺構図

長福寺跡遺構図

長福寺跡遺構図

長福寺のお堂跡・園池跡

この成果により、平成17年には長福寺跡が日根荘遺跡の追加指定地として、国史跡に認定されました。

長福寺跡の遺構と遺物

いま、子どもたちと育む 未来への実り

長福寺跡は現在、公有地化され保全されるとともに、歴史・農業・景観の学びの場として活用されています。
史跡内の水田では、地元の大木小学校の児童たちが田植えや稲刈りを体験し、収穫した米は市内の給食として提供されます。これは、土地の記憶と人々の暮らしをつなぐ、かけがえのない営みです。

田植え体験

田植え体験

稲刈り体験

稲刈り体験

泉佐野市を含む泉州地域では、タマネギ小屋と呼ばれる農作業小屋を見ることができます。現在その多くがトタン葺きですが、かつて大木地区では杉皮葺きのものが多くみられました。そこで平成19年度に地元の方々にご協力をいただき、長福寺跡のタマネギ小屋を杉皮葺きにしました

また、泉州地方に特徴的な杉皮葺きの「タマネギ小屋」も、地元協力のもと復元されました。これは、農業と景観の関係を象徴する存在として、訪れる人々に深い印象を与えています。

タマネギ小屋
タマネギ小屋

タマネギ小屋

日根荘の風景とともに生きる

長福寺跡を含む大木地区は、大阪府で唯一の「重要文化的景観」にも選定された「日根荘大木の農村景観」の一部でもあります。
静かな田園に溶け込むように配置された案内板や、風に揺れる稲穂の中に佇む伝統小屋の姿は、訪れる人に中世の風の余韻を感じさせます。

今後も泉佐野市では、地域の皆さまとともにこの地の価値を未来へとつないでいく取り組みを進めてまいります。

長福寺跡位置図
長福寺跡の案内板と田植えの様子

泉佐野市を含む泉州地域では、タマネギ小屋と呼ばれる農作業小屋を見ることができます。現在その多くがトタン葺きですが、かつて大木地区では杉皮葺きのものが多くみられました。そこで平成19年度に地元の方々にご協力をいただき、長福寺跡のタマネギ小屋を杉皮葺きにしました

杉皮剥ぎと葺き替え作業の様子と完成した農作業小屋

関連ページ

アクセス

所在地:大阪府泉佐野市大木
交通案内:
  南海「泉佐野駅」またはJR「日根野駅」より南海ウイングバス(犬鳴山行き)「下大木」下車、徒歩5分。
日本遺産駐車場:泉佐野市大木324

この記事に関するお問い合わせ先

文化財課 <e-mail:bunkazai@city.izumisano.lg.jp>
住所:〒598-0056 泉佐野市元町4-5 旧朝日湯内
電話番号:072-447-6766
FAX番号:072-469-0577